返礼品について
初夏の夕暮れどき、ゆっくりとお店の前の坂を歩いていることもあれば、
雪の降る日に、窓から、じっとお店の中をのぞいていることもあります。
朝、開店準備のために出社したら、カモシカが先にお店に来ていて、
入口でじっと待っていたことも、ありましたっけ。
編み地のデザインは、ニットデザイナーの東海えりかさんがデザインしてくださったものを、
気仙沼ニッティングの編み手が一点ずつ手編みで製作しています。
生まれてきたニット地のカモシカは、まさに、私たちがよく知るカモシカでした。
シカでもウシでもない、まるでいくつもの動物がまざった神話上の生き物のような風貌。
手編みならではのやわらかな風合いと繊細な表現で、カモシカのふわふわした毛や、
愛嬌のある目を表現しています。
愛嬌があるように見えつつも、なにを考えているかわからない目。
素朴でありながら、どこか神々しさを感じさせる雰囲気。
まさに、私たちがよく見る、カモシカです。
そしてこのバッグ、見た目がかわいいだけではないのです。
つくりがしっかりしていて、丈夫で、かつ上品な質感があります。
また、持ち手の部分は革、内側にはナイロン地の内袋がついています。
中にものを入れても編み地に響くことがなく、安心してたくさんお使いいただけます。
裏には「KESENNUMA KNITTING」のロゴがあしらわれています。
2025年1月に松屋銀座で販売した際は大変ご好評をいただき、松屋銀座の外商顧客様を中心にお求めいただきました。
気仙沼ニッティングのポップアップやオンラインストアでも好評です。
手編みでおつくりしているため、1点ずつカモシカの表情などに微妙な違いがでることがあります。
気仙沼と編みもの
気仙沼は、遠洋漁業の港町です。
たくさんの船が、この港から出ていって、世界中の海で漁をします。
気仙沼ニッティングのある編み手は、
子ども時代のこんな話をしてくれました。
「父は、カツオ船の漁師でした。
一度漁に出ると何ヶ月も家に戻りません。
そんな父は、船の上で時間をみつけては、
セーターを編んでいたらしいのです。
ロープワークや漁網の補修に慣れていたので、
当時の漁師は、編み物が得意でした。
数カ月ぶりに遠い海から帰ってくると父は、
『おみやげだよ』と言って、
船で編んできたセーターを渡してくれました。
父親に甘えることなんてなかったけど、
私は、父が編んだそのセーターを着るのがうれしくて、
とても自慢でした。」
お父さんのようになりたくて、
子どもながらに編み物を習ったその人は、
いまでは気仙沼ニッティングの編み手として、
セーターを編んでいます。
じぶんが、うれしかったり、自慢だったりしたことを、
いま、だれかのためにしています。
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