なぜ、らーめんなのか、鯛なのか。
老舗寿司屋の二代目は、
どんぶり一杯に懐石を見る。
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糸島は真鯛の漁獲量日本一*です。鯛の町に鯛を使った名物がほしい。目指したのは、どんぶり一杯の懐石料理。寿司屋二代目の挑戦は苦節6年、らーめん「花」、つけ麺「穂」として結晶しました。
*農林水産省 海面漁業生産統計調査(H30)より -
糸島産麦100%、まず麺からこしらえました。水は脊振山系の軟水。大量の真昆布を入れ、一晩寝かせて出汁を引きます。鯛のアラを加え、一日炊く。コクがあるのに、すっきり軽やか。どこにもなかった鯛出汁です。
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具にも、手間をかけました。糸島の米麹と海塩に鯛を漬け込み、火で炙ります。カエシには塩、醤油でなく、梅を使用。隠し味に父子伝来、一力の寿司酢を使いました。糸島きくらげ、糸島めんま、松の実を載せ、完成。
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麺用、スープ用、二つの鍋でお湯を沸かします。スープ、具材はそのまま10分湯煎。麺は沸騰した湯で茹で、箸で泳がす。スープの器は、温めておく。「未だ道半ばですが、お口にあいましたらうれしいです」。
お寿司屋さんがラーメン? 奇をてらうのではなく極めたのでした。味の決め手は糸島の鯛、出汁に具に、おいしいはずです。