福岡県 宗像市 Munakata, Fukuoka  ANA FURUSATO  Payment of taxes

神宿る島と絶品のとらふぐ「鐘崎天然とらふく」 宗像市と生産者、一丸となって ブランド化を目指す

福岡県宗像市の鐘崎漁港のはるか沖にたたずむ沖ノ島は、世界遺産を目指すほど深い歴史がある。諸島を取り囲んで広がる玄界灘では、とらふぐ漁が盛んだ。いずれも宗像市の自慢。そんな魅力を伝えるふるさと納税の取り組みから、地元の生産者の意識がずいぶん変わったのだという。
SCROLL
イメージ
宗像漁業協同組合 田村 正和さん

料亭に送られる「鐘崎天然とらふく」 あれよあれよと身欠きに

玄界灘では、いよいよとらふぐ漁の最盛期を迎えつつある。鐘崎漁港に面した漁協直営の鐘の岬活魚センターでは、熟練の手さばきでとらふぐが捌かれていく。入念な下処理が必要だ。

「命に関わりますからね。やっぱり神経を使います」と包丁を振るう田村さん。ふぐの内臓には毒があり、その処理も入念に行う。下処理はほかの魚とはまるで違う技術を要する。ゆえに免許制が導入されていることはよく知られている。さばくのに10分、洗いまで20分。繊細かつ丁寧な手仕事だが、身を傷めないように手早く行う必要がある。

イメージ

「毒のある部位が、水にさらすと浮いてくるんですね。普通の魚のように柔らかい身ですと中に水分が入ってしまうけど、ふぐは全身が筋肉ですから、水でしっかり洗っても味わいが変わりません。ほら、こんなに弾力があるでしょ?」

ぷっくりとした白肌の身欠きは、弾力に富んでいて一般的な魚とはまるで違う。玄界灘の海流に鍛えられて引き締まった身が、絶妙な歯ごたえを生むのだ。

「これをまた寝かせるんです」

熟成させると旨みが増すそう。かくして最上のとらふぐは、これから名古屋の料亭に送られるという。一般の流通に乗ることは少ない高級品なのだ。

イメージ
宗像漁業協同組合 山下 清之さん

これぞ冬の味覚。 思わず笑みがこぼれるおいしい歯ごたえ

身は、それぞれ刺身のてっさ、鍋のてっちりに。皮も刺身やぬたになる。ヒレは熱燗を注いでヒレ酒に。ふぐの魅力を余すところなく楽しめる。古くから磨かれてきた食文化は、絶品の冬の味覚だ。

「ここらではシロサバフグとしまふぐ、とらふぐが捕れます。12月に入っていよいよとらふぐの季節なんですが、やはり一番おいしいですね」

こう語るのは漁協の山下清之さん。ふぐの主な漁法は延縄漁だ。漁獲高は年々減っているというが、今も変わらずふぐの一大産地。味わいへの自信は揺るがない。

イメージ

「ANAのふるさと納税には、陶器の皿に薄造りをした鐘崎天然とらふくを盛ってお届けしますよ」(山下さん)

もちろんてっちりのセットと、ヒレも付けて。試しにと、いただく機会を得た。皿の紋様が透けて見える薄造りは、ほかに比べようがないしっかりとした歯ごたえ。噛むほどに淡泊なうまみがあふれ出す。てっちりはぷりっとした白身が格別だ。コクのあるヒレ酒もたまらない。ため息が漏れるような味わいである。

イメージ
宗像市経営企画部 椎葉 寛さん

世界遺産を目指す土地。 神宿る島々と宗像市を、一大ブランドに

「海産物の業者さんは、通販事業を独自でされていたこともあり、ふるさと納税の返礼品提供の呼びかけには抵抗がありませんでしたね。一方、ほかの業者さんはご自身の販路が少なかったこともあり、こちらから積極的に交渉して返礼品をご用意いただきました」

こう語るのは、宗像市経営企画部の椎葉 寛さんだ。宗像市では年に3~4回ほど、ふるさと納税に参画した事業者を集めて、勉強会を行っているのだそう。

「去年は東京からフードコーディネーターの方に来ていただいて、産品や商品の見せ方を学びました。それによって皆さんの意識がすごく向上しまして、事業者さん間での自発的なコラボなんかも始まったんです。『外に向けてPRする』という機運が高まっているようです」

イメージ

それは、ふるさと納税の枠組みを超えて、生産者のファンを獲得してほしいという自治体の願いから来るものだ。

「それが宗像市のブランディングに繋がればと願っています。ANAとの取り組みを通じて、着地型の特産品を増やしていきたいとも考えています。ちょうどまさに、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の世界遺産登録を目指しているんです」