「楽しくなければお米ではない!」を合言葉に、お米の魅力を伝えるべく、イベント開催やワークショップ、講演を精力的にこなす。テレビやラジオ、新聞やネット等のメディア出演多数。「お米の新しいあり方」を常に模索し続けているほか、お米アドバイザーとして活動。6次産業化プランナーとして日本各地に出向いている。
あらゆるおかずに対する万能の受け皿としても、塩を掛けておにぎりにしても、具材と炒めても混ぜても。
日本における米食文化は成熟の極みにあるといえるかもしれません。
しかし、産地が変われば味も変わります。各地での品種改良も進み、多様な銘柄が存在します。
東京・原宿で「小池精米店」を営む五ツ星お米マイスター・東京米スター、小池理雄さんに
数あるお米の返礼品から、ぜひ食べておきたいお米を選んでいただきました。
あらゆるおかずに対する万能の受け皿としても、塩を掛けておにぎりにしても、具材と炒めても混ぜても。日本における米食文化は成熟の極みにあるといえるかもしれません。しかし、産地が変われば味も変わります。各地での品種改良も進み、多様な銘柄が存在します。東京・原宿で「小池精米店」を営む五ツ星お米マイスター・東京米スター、小池理雄さんに数あるお米の返礼品から、ぜひ食べておきたいお米を選んでいただきました。


「楽しくなければお米ではない!」を合言葉に、お米の魅力を伝えるべく、イベント開催やワークショップ、講演を精力的にこなす。テレビやラジオ、新聞やネット等のメディア出演多数。「お米の新しいあり方」を常に模索し続けているほか、お米アドバイザーとして活動。6次産業化プランナーとして日本各地に出向いている。
お米のトレンドは、味わいの明確化にあるといえます。粒が大きいお米、味が濃いお米、硬めのお米、もっちりしているお米……などなど。それらを反映して、近年では「つや姫」「さがびより」「ゆめぴりか」「いちほまれ」などが人気です。一昔前にくらべて、いずれもお米の風味が際立っていると思います。
しかし、いざどれを選べばいいかとなると、あらかじめ知識を入れておかないことには難しいかもしれません。生産者や販売者にとっては差別化が課題だと思いますが、その意味ではちょっと目を引く銘柄やキャッチコピーがあれば、「一度食べてみてほしい」というメッセージと捉えられるかもしれませんね。
さて、じっくり選んだお米は、炊き方にもこだわることが大切です。お米は研いだらしばらく水に浸しますが、冷たい水を使い、冷蔵庫でじっくり時間をかけて行うと水がよくお米の中まで浸透します。また炊飯も冷たい水で行うといいでしょう。そのほうが加熱時にでんぷんの糖化を進めるアミラーゼという酵素が活発化する、40度~60度の状態が長く続くからです。せっかく選んだお米ですから、おいしく炊いて味わっていただきたいですね。



力強い食感でツウ好みのおいしさ
現在のコシヒカリのルーツにもなっている珍しいお米が、亀ノ尾という品種です。硬めの食感で、噛みしめることによりうま味が口の中で広がるお米です。
粒が大きめのお米なので、まずはその佇まいを目でたっぷりと楽しんでみてください。そして奥歯で噛みしめて、その滋味溢れるおいしさを堪能してほしいと思います。ご飯に合わせるのは、たとえば野菜の漬物などがよさそうです。シャキッとした歯ごたえに負けない力強いお米です。ツウ好みの品種ですから、きっとお米好きに贈ると喜ばれますよ。



岩手県が総力を挙げて開発した新品種
「銀河のしずく」は岩手県が県をあげて開発した新品種です。うちの店頭でも扱っていまして、とても好評です。米粒は大きく堂々としていて、咀嚼するとうまみが粒立って感じられ、しっかりと堪能できる力強いものです。最近のお米のトレンドの傾向が「しっかり目の食感」が流行っていることを考えると、誰にでも勧めたくなるお米です。
オススメの食べ方は、たとえばおにぎりです。適度にほぐれ、具材の味が濃い目でもしっかり受け止めてくれます。2016年に日経トレンディのイベント「米のヒット甲子園」で優勝している実力派品種です。



全国にその名を知られた生産者が手掛けた味
笠原農園さんは有名な生産者でして、以前からとても関心がありました。食べれば押し寄せてくるうま味はさすがです。舌のうえにガツンと乗っかってきます。甘みに秀でていて、まさにおかずのいらないお米です。おいしさの秘訣のひとつは、刈り取った稲を脱穀せずにそのまま乾燥させる“はざかけ”を行っていること。稲に残ったでんぷんによってお米が後熟し、おいしさを深めています。
食卓で味わっても、贈り物としても喜ばれると思います。なにせ、「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で連続入賞を成し遂げた生産者のみに贈られるダイヤモンド褒章を受賞する実力者が手掛けたお米ですから。



優しい口当たりで、さめてもおいしい名品種
あまり知名度はありませんが、「あきさかり」という品種は丁寧に栽培すると本当においしくなるのです。無農薬・無肥料による自然栽培で作られたこの返礼品のお米は、優しくさわやかで、すっきりとしたうま味が特徴的でした。それでいて口のなかで余韻がしっかりと残っているお米です。素直に体のなかに入ってくる、クセのないおいしさです。
お米そのものの味だけで充分勝負できる満足感ですから、たとえば梅干しを乗せるだけで一膳食べきれてしまうことでしょう。粒が大きめで、粒の中までしっかり糊化していることが分かります。これほどの品質ですから、冷めても十分に楽しめると思いますよ。



コシヒカリらしい、スッキリとしたお米
寒暖の差が激しい中山間地である岐阜県飛騨地方は、おいしいお米がとれるところとして有名です。その香りは本当に力強く、粒の大きさと照りは素晴らしいレベルです。見た目にも美しい炊き上がりで、食べる前から存分に楽しめるお米といえるでしょう。
パッケージも美しいので、贈り物にいいかもしれませんね。またスッキリとした素朴な味わいが特徴です。コシヒカリらしい風味なので、きっとどなたにも受け入れられると思いますよ。



おかずとの取り合わせや調理方法でお楽しみを
京都は関西のなかでもお米の産地として有名です。キヌヒカリとは歴史ある品種のお米で、なかなか市場には出回っていません。昔のお米らしく粒が大きく非常に立派。硬めの食感が特長です。
オススメの食べ方は、チャーハンやピラフなどのひと工夫。またちょっと濃いめの味の具材を入れることで、おにぎりでもおいしくいただけると思います。さらに玉子かけご飯や、納豆ともほどよいマッチングが期待できます。相性のよさを探してみるのも、お米の楽しみ方のひとつです。



すっきりとした味わいの端正なお米
奈良県は中山間地のお米がおいしいことで知られています。奈良県の東北端に位置する曽爾村は、関西屈指の高原リゾートとしても知られる自然豊かな場所です。標高1000m級の山々に囲まれた美しい山村で育ったお米はどのような味か……気になりませんか?
実は個人的にも楽しみにしていました。炊いてみると、一粒ずつさわやかなうま味が閉じ込められていて、雑味がないシャープさが特徴的なお米です。重たくなくすっきりと食べられるため、朝ご飯に向いているでしょう。



打倒コシヒカリを掲げる、意欲に満ちたお米
鳥取県が、コシヒカリに代わる新種を目指して開発したお米が、「星空舞」です。コシヒカリという一大ブランドを越えるのは難しい挑戦なのですが、鳥取県はそれをやってのけました。炊き上がりは、粒がしっかりしており、口に含むとほくほくでプリッとした食感が特徴的です。うま味もしっかりと舌に乗ります。
おいしくいただくには、たとえばカレーがオススメです。特徴的な食感、硬めの歯ごたえ、うま味もしっかりあるので、濃厚な欧風カレーに合わせても個性が失われません。ネーミングも目を引き、エピソードもあり、特徴的なおいしさもある。選んで間違いなしの銘柄です。



地元グルメとのマリアージュがオススメ
九州の米屋に聞くと、大分県のお米はすこぶる評判がいいのですが、関東など他の地域では、実は手に入りにくい産地かもしれません。大分のお米は前から興味がありましたが、なかでもおいしいお米が育ちやすい場所で、関東ではまだそこまでメジャーではないヒノヒカリは、食べればきっと驚きがあることでしょう。
水のいい地域で採れたものですから、せっかくならおいしい水で炊飯してもらいたいですね。その特長は、もっちりとした食感です。歯ごたえのあるおかずとの相性が良さそうです。それこそ有名な中津の唐揚げとの組み合わせは間違いなしだと思いますよ。



柔らかさとうまみのコントラストが絶妙
鹿児島県初の特A米として、注目に値するお米といえるでしょう。ブランド性があるため、誰かにあげても喜ばれると思いますよ。生米の状態でも粒の大きさが分かるほどで、洗米時には「立派なお米だなぁ」と驚くに違いありません。
炊き上がりはフワッと柔らかく、柔らかい食感のお米を好む人には間違いなくオススメできます。一方で味わいは濃厚でしっかりとした風味があり、うまみが押し寄せてきます。合わせるのであれば、柔らかくて味の濃いおかず……たとえば辛子明太子やハンバーグと一緒に食べれば、きっと満足感のある食事になると思います。
