プロが選ぶ返礼品

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「島国ニッポン」という言葉が示すとおり、日本は海洋資源に恵まれています。海岸線は約3万kmにおよび、その長さは世界6位。有史以前から各地で漁業が始まり、長い年月をかけて水産業が発達してきました。魚を食べる文化は、世界屈指の豊かさを誇るといっても過言ではありません。その一方で、自然災害や政治情勢のほか、海洋環境の変化や消費者の魚離れなど、多くの危機に直面している分野でもあります。ふるさと納税には、納税して返礼品を取り寄せ、食べることで、全国各地の漁業従事者や水産業者を応援できるという側面があります。「魚の伝道師」の異名を持ち、全国の水産事業を救い、魚と消費者を結びつけてきたプロフェッショナル・上田勝彦さんが、“おいしく応援”できる返礼品をセレクトしました。

魚の伝道師

上田 勝彦さん

1964年、島根県出雲市出身。長崎大学水産学部卒業。在学中より、長崎県野母崎にて漁業に従事しつつ日本の漁村を行脚。1991年に水産庁に入庁し 、漁業取締、漁業調整、食品加工流通、漁村振興、調査捕鯨、マグロ漁場の開拓、日本海資源回復計画等に従事。2015年に水産庁を退職し、ウエカツ水産を立ち上げる。全国を飛び回り、魚と食卓を繋ぎ直す活動を行う。東京海洋大学客員教授。

変わりゆく海と魚。漁師たちを支える、
ANAのふるさと納税の活用法

いま海では、わたしたちがこれまで経験したことのない変化が起き始めていますが、その兆しは実は20年以上前からあったのです。海水温の上昇や、気候の変化などが進行するにつれ、魚の生息分布が北上し、回遊が変わり、産卵期が変わるといった現象が世界中で見え始めました。特にその速度が早まったのが、この5年間です。昨今話題にあがるサンマ、サケ、ブリだけでなく、さまざまな魚種に影響が及んでいます。獲れるはずのものが獲れず、その逆も起きるなか、全体の漁獲量は減り続けています。これに伴い、おいしい時期である“旬”も変わり始め、日本料理の季節感を大切にする概念も塗り替えねばならない状況となりつつあるのです。

では、刻々と変わりゆく海と魚に対して、わたしたちはどのような関係性をもって生きていけばいいのでしょうか。魚を食べることが単なるタンパク質の摂取であるならば、食べる文化を捨て、欧米のように肉食中心にしてもかまわないわけですが、そうなると1万6千もの島々を抱える島国の日本には、肉のほとんどを輸入に頼って暮らす道しか残らなくなってしまいます。今進行している危機は、経済的・社会的だけではなく、「どのように食べ、生きていくのか」という人間の根幹に触れる、大きな選択の問題だと思うのです。

水産業、とりわけ漁業は、食にまつわる一次産業のなかでも、自然に委ねる部分が大きいという特殊性があります。生産者は、変わりゆく海、変わりゆく自然界を受け入れ、魚たちの生命力に寄り添うしかすべがないのです。となれば、自然界に生身で向き合って魚を届けてくれる彼らを、何らかのかたちで支え続けるのが、我々消費者の役割ではないでしょうか。積極的に、買って、食べて、支える。この循環が続けば、絶えることなく、魚が食卓に上り続けるはずです。

ANAのふるさと納税の返礼品は豊富にあり、目移りするかもしれません。それはすなわち、多くの漁師や生産者が懸命に獲り、あるいは作っている証でもあります。ふるさと納税を通して、食材を知り、産地を知り、生産者を知る。そうすることで、いっそう豊かな暮らしが双方に生まれる。ふるさと納税には、顔が見えない大規模流通では得られない大切な関係性を構築できる可能性が秘められています。良いものを手に入れたければ、消費者としての勉強も必要です。その意味でふるさと納税は、消費者としての選択眼を鍛える道場ともいえるでしょう。ぜひ、旺盛なるチャレンジをおすすめします。

魚の伝道師が選ぶ

おすすめ返礼品10

  • 北海道//厚岸町

    厚岸産殻牡蠣と
    帆立・ほっき・あさりセット
    殻牡蠣LLサイズ15個・殻付きあさり1kg・帆立貝3枚・ほっき貝3個

    粒揃い、味、香り。
    全てが高次元の牡蠣と、贅沢極まる貝づくしセット

    厚岸の名はアイヌ語の“アッケケシ”に由来すると言われており、これは“カキがあるところ”という意味です。厚岸湾の奥の厚岸湖には「牡蠣島」とよばれる島があるほどに、昔から良質のカキが獲れることで有名な場所です。湿原からしみだす栄養豊富で清澄な淡水と海水が混じることによって、安定した水温で育成でき、一年中生食ができるカキが獲れます。甘味が強く香りが強い印象です。カキの味とは、外套膜の香り、貝柱の甘味、肝の濃厚さ、棲んでいる場所の水の味の4要素ですが、厚岸のカキは、そのバランスが良く、まさに天地がもたらした宝と言えましょう。一緒に送られてくる甘味の強いホタテ、ホッキガイ、大粒のアサリも、他の地域では味わえない深みをもっています。

    おすすめの食べ方!

    牡蠣とホタテは生でも焼いても。ホッキは湯通しせずにぜひ生で。あさりは砂抜き処理がほどこされているので、汁物がいいでしょう。
    北海が生んだ極上の貝類にひたる一夜をご堪能あれ。

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  • 北海道//別海町

    時鮭山漬け(中辛)姿切り身
    1本分(約2.0kg)

    シンプルに焼いても、アレンジしても。
    北海道で珍重される別格の塩鮭

    日本人に馴染み深い塩鮭のなかには、別格のものもあります。日本の川で生まれ海に下って4年間を大海で過ごし、秋に産卵のため戻ってくる鮭を「秋鮭」というのに対し、ロシアの川で生まれ、旅の途中で餌の豊富な日本の沿岸にとどまり春から初夏に獲れるものを、北海道では「時鮭(ときざけ)」と呼んでいます。卵や精巣に栄養をとられていないため脂乗りが良く、柔軟でふっくらした肉質が特徴です。これを“山漬け”という伝統技法でしっかり塩漬け熟成すると、通常の塩鮭では味わえない、発酵にも似たふくよかな香りが醸し出されます。

    おすすめの食べ方!

    そのまま焼いても、大根とあわせて汁にしても、唯一無二の風味を味わえる逸品となるのが時鮭の山漬けです。
    切り身の個包装で冷凍されているので、小分けに使えるのもいいですね。

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  • 富山県//黒部市

    富山湾直送 とれたて鮮魚セット
    〈定期便〉約2.5~3.5kg×3回

    通称“天然の生け簀”から直送!
    個性溢れる中小魚で、色とりどりの食卓を

    富山湾は、岸から少し離れただけで急に深くなる海底地形で有名なところ。立山連峰が生み出す伏流水が海底から湧き出ており、“天然の生け簀”と呼ばれるほど、魚種の豊富さと、その味わい深さに定評があります。特に黒部市生地地区は、町中を歩けばいたるところに湧水があり、優良な水に恵まれているだけでなく、漁場が近いことから水揚げ後、新鮮な魚がすぐに味わえます。富山といえばブリ、ホタルイカ、シロエビのように、深海性や大型の回遊魚が有名ではありますが、実はいろんな中小型の魚たちが、黒部の沿岸に集まるのです。ヒラメ、赤ガレイ、ブリやカンパチの若魚、タイ類等々、季節ごとの多彩な個性が味わえるのが黒部の海の大きな魅力です。

    ※画像はイメージです

    おすすめの食べ方!

    四季折々の魚が魚の駅「生地(いくじ)」の目利きで届くセットです。ぜひ、魚をご自宅で捌いてみてください。
    難しい場合は、お近くの鮮魚店や料理店に頼んでみるのもいいでしょう。魚尽くしで豊かな食卓を囲んでみて下さい。

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  • 三重県//志摩市

    伊勢海老干物
    2尾

    大ぶりで勇ましい伊勢海老の旨味を凝縮。
    焼いて食べた後も、お楽しみが続きます

    黒潮が流れる太平洋の沿岸の岩場であればどこにでもいる伊勢海老ですが、古来より三重の伊勢地方で獲れるものは質が良く、志摩市にある和具漁港が有名です。ここでは磯漁場の海藻が林のように育ち、その葉の上に着床した稚エビが根の方に降りていくと、海老の餌となるさまざまな生物たちがひしめいているのです。伊勢のものは他地域に比べて体色が赤黒く、身には深い甘さがあります。勇ましい姿を尊ぶ海老なだけに、足や触覚が折れると活での出荷は難しくなるので、これを半割りにして塩水に漬け干したものが本品です。干すことによって熟成も進み、旨味がさらに引き立っています。

    おすすめの食べ方!

    焼いた身をむしって味わったあとの殻は、味噌汁もいいのですが、おすすめはそうめん。
    甘からい醤油味で煮て冷やしたつけ汁でそうめんをいただくと、伊勢海老の実力をあらためて感じさせてくれるでしょう。

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  • 大阪府//阪南市

    活き〆生鱧
    700g

    今では珍しい、活鱧を骨切りした貴重品。
    食べ方のバリエーションも豊富です

    鱧は最大全長1mを超える肉食性の魚で、夏から冬にかけて西日本を中心に獲れます。味が良い反面、筋肉の間に細い骨が無数に通っているため、「骨切り」が必要です。しかし従来は冷凍して行う必要があったため、味の上ではワンランク下がります。しかし大阪湾の鱧は、柔らかい泥の中に棲むので骨が柔らかく脂乗りが良いだけでなく、冷凍しない活鱧から骨切りした貴重品です。ふっくらとした身で、骨を気にせずたっぷり食べられます。

    おすすめの食べ方!

    沸騰したお湯にくぐらせて氷水で締めたのをワサビ醤油でも、すき焼き出汁で玉ねぎと共に鱧鍋や卵とじも、実に生鱧ならではの味わいが伝わります。

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  • 兵庫県//香美町

    香住ガニ カニ身セット
    (かにみそ・かに酢付)
    600g

    たっぷりと、カニ尽くし!
    ご飯とともに存分にほおばってください

    高級品のズワイガニとは別のおいしさがあり、漁獲量が多くてお手頃価格のベニズワイガニには、たっぷり味わえる満足感があります。日本海にはいくつか産地がありますが、特に香住のベニズワイガニは漁場が近く、鮮度が良いことで知られています。一般的には、水を流しながら機械で身を押し出し、パックして冷凍する流通が主体ですが、香住では手剥きにこだわり、冷蔵でお届けすることによって旨味が逃げず、カニ肉本来のみずみずしさと甘味が魅力です。

    おすすめの食べ方!

    一緒に送られてくるカニ味噌と、カニ用の酢で少し味わったら、残りの身をたっぷり丼ご飯に乗せ、中央にカニ味噌と刻みネギをトッピング。
    カニ酢に醤油を少し加えたタレをかけまわし、大いにほおばるのが醍醐味です。

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  • 島根県//大田市

    島根県沖 大ぶり のどぐろ一夜干し
    6尾(1尾あたり176~200g)

    脂の乗りとみずみずしさが身上。
    日本海が誇る高級魚を、干物でどうぞ

    大田市は山陰地方の中でも、水産加工、特に干物作りに長じた複数の漁港を抱えた地域です。多種多様な魚が獲れるなか、数年前、世界的テニス選手が郷土の味として紹介して以来つとにその名を馳せた魚が「のどぐろ」であり、本名をアカムツといいます。成長が遅く漁獲量が少ないので値段も張る高級魚ですが、そのおいしさは、単に脂が乗っているだけではなく、みずみずしい肉汁をたっぷり蓄えた白身にあります。

    おすすめの食べ方!

    生ののどぐろは、焼くと身崩れしやすく、家庭での調理は難易度が高くなりますが、塩を当ててほどよく乾燥した干物であれば大丈夫。
    こんがり香ばしく焼いて、ご飯はもちろん、キンと冷えた日本酒のお供にも最高です。

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  • 熊本県//宇土市

    後継者が育てたブランドの新海苔
    「紫陽花」
    全形8枚×5パック

    手巻き寿司にしたら格別です。
    甘みと香りが特長の、気鋭ブランド海苔

    九州の有明海は長崎、佐賀、福岡、熊本の4県にまたがり、数10本の河川によって、河口には広大な干潟ができています。河川の水に植物プランクトンや海藻類の成長に必要な“栄養塩”が含まれており、多くの河川が注ぐことで有明海が豊かな漁場となっています。この恩恵を受けているひとつが海苔であり、有明湾それぞれの漁場で味が違います。湾の奥の静かな海で育つ他の3県の海苔は、甘みに富みくちどけが良いことで有名ですが、対して潮通しが良い湾口で育つ熊本の海苔は、甘みと香りが特長です。先の水害で壊滅的に被害を受けた宇土は熊本海苔養殖の先進地。若者たちが起死回生を賭して立ち上げたブランドの、気高く香る仕上がりを実感できます。

    おすすめの食べ方!

    甘みだけでなく磯の香りが高いので寿司に合うということで、知る人ぞ知る存在です。ご家庭ならぜいたくに手巻き寿司はいかがでしょうか。
    いつもよりおいしさが一段上がります。

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  • 熊本県//上天草市

    上天草産 活車海老
    300g

    天然の漁場ならではの好環境で育った極上の養殖車海老

    車海老は、近年の海水温の変化などで漁獲量が少なくなったため、西日本から南日本にかけて養殖が盛んになっています。ところが同じ場所で養殖をし続けると、その漁場は海老の排泄物で汚れてしまい、海老の品質が悪くなってくる問題があるのです。そこで、毎日いけすに潜るなどして残したエサなどを掃除してあげることで、のびのびと健やかに成長していきます。その効果は海老の美しさと活きの良さ、そして充実した筋肉のおいしさに表れるのです。

    おすすめの食べ方!

    天ぷらや海老フライなど定番の料理でも、この車海老を使うと次元が変わります。
    シンプルに殻付きのまま茹でたり、串を通して塩を振って塩焼きにしたりすると、そのクオリティがわかるはずです。

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  • 宮崎県//西都市

    〈ANA限定〉「ジャパンキャビア」
    MIYAZAKI CAVIAR 1983(12g)

    熱意と情熱に支えられて誕生した、
    地域おこしの国産キャビア

    キャビアとは、古代魚であるチョウザメの卵を塩漬けにした高級品です。約30年前に、養殖研究を始めたのが宮崎県です。1983年に旧ソ連との漁業技術協力の一環で、宮崎県水産試験場がチョウザメ200匹を引き受けたのが始まりです。2023年にチョウザメの養殖研究は40周年、「MIYAZAKI CAVIAR1983」が出来て10周年という節目となります。全国に生じている過疎地域の再興策として注目を集める取り組みですが、卵が取れるまで約7~10年必要なチョウザメ養殖は、長い年月を要するため、台風など自然災害などの高いリスクがつきまといます。ロシアなどからの輸入が大半だった魚卵の宝石を、日本で自ら育てるロマンに、少なからぬ人々が人生を捧げました。ほんの少しの国産キャビアのなかには、その夢が詰まっているのです。

    おすすめの食べ方!

    “黒いダイヤ”とも呼ばれ、世界の美食家を虜にしてきた珍味です。小さなスプーンですくって、ぜひそのままどうぞ。
    クラッカーに載せたりサワークリームと合わせると、冷えたシャンパンと相性が良いようです。

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